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マンション建替え円滑化法
読み方 : まんしょんたてかええんかつかほう

マンションの建替えを円滑化するために、2002年(平成14年)12月18日より施行されている新しい法律。正式名称は「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」。

1)法制定の背景
マンションの建替えについては、基本的な枠組みは「建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)」で定められている。
しかし従来の区分所有法では、マンション建替え決議(区分所有法第62条第1項)の要件が不明確であった。
具体的には、旧区分所有法第62条では、建替えは「効用を維持し、又は回復するのに過分の費用を要するに至ったときは5分の4以上の多数決で」決議できる旨が規定されていた。このため「過分の費用」の解釈をめぐり紛争がたびたび生じていた。
そこで区分所有法は大改正され、5分の4以上の賛成があれば、その他の条件を問わずに建替え決議ができることになった。改正後の区分所有法は2003年6月1日から施行されている。
このような区分所有法の改正に合わせて、マンション建替えの方法を簡略化・合理化するための新法が制定される運びとなった。それがマンション建替え円滑化法である。

2)円滑化法の基本的内容
円滑化法では、マンション建て替えを実行するためのマンション建替組合の設立、マンション建替組合の事業計画に対する都道府県知事の認可、権利変換手法の導入、建替組合以外の個人による建替え、を柱としている。

3)組合による事業の実行
マンション建替え決議(改正区分所有法第62条第1項)に合意した者は、その4分の3以上の同意により、「マンション建替組合」を設立することができる(円滑化法第9条)。
建替え決議の合意者は全員がこの組合員となる(円滑化法第16条)。またディベロッパーが建替組合に参加することもできる(円滑化法第17条)。
さらに建替組合は、建替えに不参加の区分所有者に対して、その区分所有権敷地利用権を建替組合に売り渡すように請求できる(円滑化法第15条)。これは区分所有法第63条の売渡し請求権を、建替組合が主体となって行使するための規定である。
このように円滑化法では建替組合による事業の実行を原則としている。マンション建替え事業の進行に伴い、従来のマンションを取り壊すため、その時点で従来の「マンション管理組合」は自動的に消滅してしまう。そこで建替えに参加する者だけで、先に「建替組合」を結成させて、その建替組合の主導のもとに建替え事業を進めようという趣旨である。

4)組合の事業計画の認可
マンション建替組合の設立に先立って、建替組合は事業計画に関して都道府県知事の認可を得なければならない(円滑化法第9条)。
この知事による認可には政令基準が設定されており、再建後のマンションの住戸の広さが50平方メートル以上であること等が必要である(円滑化法第12条、同施行規則第13条から第15条)。

5)権利変換手法の導入
マンション建替え事業の進行に伴い、従来のマンションを取り壊すため、従来のマンションの権利はいったん消滅し、再建後のマンションの権利を新規に取得することになる。
しかしこれでは手続きが煩雑であり、特に従来の区分所有権に付着していた抵当権の扱いが大きな問題になることが多かった。
そこで円滑化法では、従来の権利が消滅することなく、原則としてそのまま再建後のマンションに自動的に移行するという法的仕組みである「権利変換」を採用している。権利変換の計画は建替組合が決定するだけでなく、都道府県知事の認可を得なければならない(円滑化法第57条・第58条)。

6)個人による事業の実行
このように円滑化法では建替組合の主導を基本としているが、従来のマンションの戸数が少ない等の場合には必ずしも組合形式によらずに、参加する区分所有者全員の合意のもとに簡易な方式で事業を進める方が合理的である。
そこで円滑化法では、「個人」が1人または数人で事業計画を定め、関係権利者全員の同意を得て、マンションの建替えを実行できることとした(円滑化法第45条)。これは組合施行に対して「個人施行」と呼ばれている。
個人施行でも、事業計画について知事の認可が必要である。権利変換手法を用いることも組合施行と同じである。また「個人」とは、関係者権利者全員の同意があれば、ディベロッパーでもよい。
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